日本のJAZZFUNK界を引っ張る唯一無二のダンサー・振付・演出家のavecoo

昨年、HARLEMを揺らすほどの歓声と熱量でJAZZFUNK BOX vol.1を 盛り上げたavecooにインタビュー。振付師の大会で日本一にも輝いたことのあるavecooの振付や作品の作り方、今後のビジョンなど、ここでしか聞けない貴重な話が盛りだくさん。作り手としての活動を目指すダンサーたちはぜひチェックして欲しい。

Q、前回のJAZZFUNK BOX vol.1の感想。

「楽しかった!JAZZFUNKだけのイベントだし、日本のJAZZFUNKはパキパキ踊るイメージがあるけど、エンタメとして、ショーってお客さんに見せるものだから、お客さんが湧くとかそういう部分を意識して、他とは違う感じでやったかな。みんながあんなに真面目にやってるのにさ、アタイは全部ビヨンセの丸パクリじゃん。でもアタイだからできたかなって感じです(笑)。」

QJAZZFUNKに出会ったきっかけは?

「21歳の時にKibuと初めてロスに行って、JAZZFUNKに出会いました。日本にはJAZZ FUNKってジャンルはまだなかったかな。Brian FriedmanやBlakeとかがちょうどレッスンをやっていて、Bobby Newberryもサブでレッスンをやってた頃。それらのレッスンがすごく好きで、当時日本ではゲイ振りって言われていたから、自分としてはアメリカの女っぽく踊るっていう、セクシャルのことに関してもガンガン攻めるって感じがかっこいいと思った。元々HIPHOPとかやってたけど、当時それでJAZZFUNKと出会っていいなと思ってからずっと続けています。」

Q、振付をするときに気をつけていることは?

「それ言ったらパクられるかもしれないからあんまり言いたくないよね(笑)。レッスンは本当にただ単に好きな曲とか自分がやりたいことをやる。自分がやりたいものを伝えるのがレッスンだと思うから、正直言うと生徒のことを考えて作ることは一切ない。振付の仕事に関しては、必要によってもそれぞれ違うから、その時は求められているものを作る。でも最近はもう“avecooさんじゃないと嫌だ”っていうところ以外は一切受けないようにしてるな。求められる内容が自分じゃなくてもできるものに関しては嫌だなと思ってるから。作品に関しては元々テーマ性のあるバットエンドの作品が好きなのだけど、昔はテーマとかはあまりなくてダンスナンバーを作ってたの。なんでそういうテーマ性のある作品をやろうと思ったのかは全く覚えていなくて本当にきっかけとかは特になく、やろうと思って作った感じかな。そこにこだわりっていうのは正直いうとそんなにみんなが思ってるほどなくて、適当。まず振りを考えてそこに役を当てはめる。あとは最初に起承転結を先に考えて、振りに関してはそこのイメージはあるくらいかな。分かりやすく、シンプルにキャッチーにっていうのを作る時と、これ意味がわからないていうのとかも分けてるし、はじめにどういう振りを作りたいかっていうのを考えてるかな。」

Q、作品テーマの決め方は?

「直感。前から準備しようと思ってもできないし、作品を出すってなったら大体本番1、2ヶ月くらい前から作るのでその時まで全く考えてない。ただ今回はハッピーエンドとか、バットエンドとかは決めるかな。でも、そろそろ作らなきゃまずいっていう時にタイミングがくる。やりたいものとか、『あ、これじゃん。』みたいなのと出会う。だから、あんまり普段から考えているわけではないかな。」

Q、今までの人生のターニングポイントは?

「やっぱりLegend Tokyoかな。Legendの『あべ子といち子』っていう作品で1位を獲った時、やっと作品として認められたっていうか、そこから仕事の枠も増えたっていうのもあるし。Legendは『阿部魁』とか他の作品を出した時もそうだし、1番最初出した時は全然賞取れなくてなんじゃこりゃってこともあったけどすごく自分にとっては大きかったかも。あと、JAZZFUNK、Bobbyに出会った時。そこから絶対JAZZFUNKで自分は行くって決めたから。あとはコロナ。個人的にはコロナが起きて、これからの自分の人生を考えた時にやりたいことって思って独立して、avecoo dance studio(略称ads)をやらせてもらったし、そこは大きなきっかけだと思う。」

Q、ダンスをする上で大事にしていること

「楽しむこと。自分が1番。それはどこの現場でもそうだけど、今まで仕事をやっていて、さっき求められていないって言い方があったけど、やっぱり楽しくない時ってあったのよ。辛いって思うことはないんだけど、楽しむことができなかった。だからこそ楽しむってことを大事にしたいし、日々学ぶことも大切かな。“楽しむ+学ぶ“っていうのは一生していきたいと思ってる。」

Q、来年avecoo dance studioで発表会が行われると思いますが、どんな内容になりそうか教えてください。

「全然何も考えてない。でもこの前ロスに行ってから思っているのは、アタイはテーマ作品が好きでそういう作品が多いけどなんか、やっぱりテーマ作品ってダンスを見せるのとは違うじゃん?今、自分のスタジオのadsに通ってる子達ってダンスが上手い子が多いと思ってるからダンスナンバー多めにしようと思ってる。ダンスこの子達やばいみたいに思ってもらえたらいいな。」

Q、今後挑戦したいことがあれば教えてください。

「ゆくゆくの夢としては自分の劇場を持つことだから、それを達成したい。JAZZFUNKをやっている人って若い子もいたり、20代〜50代の人もいたりして、ダンスに関わりたくても関われなかったりもいるわけで。でも、そういう舞台を作るとたくさんのダンサーを雇用するし、受付とかでダンスをリタイアした人たちもダンスに携われると思えるから。でも今できないのは日本って観る文化があまりないってところ。舞台を観に行こうってなってもチケットが18,000円とか高いからって諦めてしまう人が多いけど、まずはそこをどう変えていくかって思って、ディナーショーをやるなどの挑戦はしています。日本人の観る力っていうのが増えていったらいいなって感じかな。」

今回インタビューした時のフル映像はこちら↓

JAZZFUNK BOX vol.2は2023年11月18日開催!
場所は前回同様、渋谷のclub HARLEM。

アーティスト、舞台の振付はじめ、自身のスタジオadsでも多くのダンス作品を生み出す、JAZZFUNKを代表する振付師avecoo。今回のJAZZFUNK BOXではどんなショーケースを見せてくれるのか。昨年会場を揺るがせたビヨンセを超える今年のJAZZFUNK BOXのショーケースが楽しみである。

JAZZ FUNK BOX 公式Instagram @jazzfunkbox

avecoo Profile
中学卒業後、単身上京。東京デザイナー学院プロダンサー科に入学し、バレエ、jazz、hip hop等様々なジャンルのダンスを習う。卒業後、ダンススタジオに通いながら都内クラブにてダンスチームpalmsとして活動。colors danceコンテストに出場し優勝。その後LAに留学し本場のダンスを習う。安室奈美恵、浜崎あゆみ、後藤真希、恵比寿マスカッツ、渡辺美優紀、ももいろクローバーZ、平井堅、板野友美、和楽器バンド、SKE48などの振付、アシスタント、PV出演。日本最大級のダンスコンテスト、Legendtokyoで7代目レジェンドとして優勝を勝ち取る。演出家として、ももいろクローバーZ、渡辺美優紀等のライブ演出の他、大手企業のパーティー演出、avecoo単独公演を2回開催等でも活動している。
avecoo Instagram @avecoo

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