“コロナ時代に生きる”ダンススクールREP Performance Stage代表のRenaにインタビュー
令和2年5月25日緊急事態宣言が全国で解除となった。6月1日には、全国の花火業者の有志らが立ち上げたCHEER UP!花火プロジェクトを実施。全国163の花火業者が同プロジェクトに参加し、打ち上げる場所は、3密を避けるため非公開として、午後8時に一斉に花火を打ち上げた。その翌日の6月2日、東京都で新たに34人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されるなど感染状況の悪化の兆候が見られるとして、小池知事は、都民に警戒を呼びかける「東京アラート」を出した。日々情勢が変わる中、埼玉県春日部市や宮崎県宮崎市でダンススクールを経営するRenaに話を聞いた。緊急事態宣言が全国で解除となる直前に行われたインタビュー!
Q,緊急事態宣言による不要不急の外出を控えるよう言われている中、どのように過ごしていましたか?
スタジオが休校になっている為、ずっとやりたかった事や、やらなきゃいけなかった事をする時間に当てています。朝起きて午前中はベランダで日光浴をしながらコーヒーと仕事やネットサーフィン。日中から夜は片付けをして料理をして、海外ドラマや映画をたくさん観て時々オンラインレッスンっていうスローライフです(笑)。最近は再開が近くなるに連れてスタジオを少しでも快適に出来ないかとスタジオとホームセンターを行き来してプチ内装してました(笑)。
Q,ダンススタジオの状況を、各校それぞれ教えてください。
埼玉県春日部市にある本校も宮崎校も休校にしていましたが、宮崎校は5月25日から再開しました。本校も6月1日から再開します。緊急事態宣言が解除したからといえ、不安やイレギュラーな慌しさでなかなか気持ちの良いスタートとは言えませんが、両校にとって今回の休校期間を意味のあるものに変えていければと思います。
Q,休校期間中にオンラインレッスンを行った理由を教えてください。
レッスン生の皆はダンスに行きたくても行けない状況にいる事は痛い程感じていました。SNSを見ていると、早くダンスしたい!とか、早く会いたいね!って会話しているのをたくさん見ました。最初は有料コンテンツのお声がけを多数頂きましたが、生活も金銭的にも辛い状況は皆一緒なので、じゃあここで少しでも気楽に繋がれて楽しく発散できる時間を共有する事が出来たらと思い、海外のダンサーやスタジオが挙って無料でやっていたのを観ていたので私のスクールも2校とも無料でスクールのInstagramアカウントからライブ配信をする事にしました。
Q,オンラインレッスンの準備で大変な事は何ですか?
ネット環境と配信する為の場所の確保が大変でした。スタジオが休校の間にスタジオ内を少し改装していたので足の踏み場が無く使えず、空いてるレンタルスタジオを借りたり近所の誰もいない広場を探してオンラインレッスンやったり(笑)。宮崎校のインストラクターはスタジオまで来て配信していましたが、本校は皆都内からスタジオに向かう事になるのでスタジオ以外の場所での配信はそれぞれ大変だったと思います。配信用端末と音源を出す端末、Bluetoothスピーカー等、準備しました。インストラクターの中には端末が一つしか無いから配信用端末が無いとの連絡があり慌てて対応したり、使用する曲によって著作権で配信が終了してしまったり、意外と大変でした。
Q,オンラインレッスンの内容を教えてください。
本校の場合、4月は数回の配信でしたが、やはり普段からスクールのレッスンがジャンルやレベル分けされているように、オンラインレッスンであっても細かく分けた方が受けやすいという事に気付き、5月は毎日配信で更に細かくジャンル分けし、HipHopからジャズ、キッズや入門、中級など決めてレッスンしていきました。どのクラスも一回完結のレッスンにして最後はコラボダンスを希望する受講生を配信参加させて画面上で一緒に踊って終了。最初は皆嫌がるし、申請しても拒否されていましたが(笑)、だんだんと皆オンラインレッスンに慣れていき自信も付いてきたみたいでコラボダンスを希望してくれるようになり盛り上がっていったので楽しかったです。
未来あるレッスン生達の為に出来る事、レッスン生達が学べる事はダンスにプラスしてたくさんあると思う
Q,オンラインレッスンの良い点は何ですか?
オンラインレッスンに参加してくれている生徒さん達と離れていてもオンラインレッスンでまた繋がれたりコミュニケーションをとれたり、すごく嬉しかったです。スクールのレッスン生じゃない子達も受けてくれたり新鮮でした。私自身も生徒さんの立場になってみて本校や宮崎校のインストラクターを受けてみたりレッスンの様子見ていたりして、インストラクターの普段見れない姿が見れたり、普段聞けない話など聞く事が出来たりレッスンより距離感が近く感じました。また、好きな海外のダンサーのオンラインレッスンを受けれる事は個人的にテンション上がったし、色々なダンサーやレッスン生達のSNSをみていると皆好きなダンサーのオンラインレッスンを距離関係無く受ける事が出来て嬉しそうだったり興奮していたり、改めて素晴らしいと思いました。
Q,オンラインレッスンの欠点は何ですか?
AIやネットがどんなに充実して普及しても、やはり、ダンスは別枠で、ダンススタジオは廃れる事は無いと思います。スタジオや会場や現場で踊る事は、それが1人でも2〜3人でも大勢でもその場の空気を感じながら汗だくになって踊りオーディエンスを直に感じるという事はオンラインでは出来ません。だから、オンラインレッスンの需要が増えればダンススクールは危機かもって言う方々もいますが私はそれは無いと思います。ヨガやコアトレ等のオンラインレッスンに関しては、どんな格好でも狭いスペースでもレッスン始まってても気付いたらすぐ参加出来る気軽さがあって良いなと思いました。
Q,オンラインレッスンを行って、何か新しい発見などはありますか?
両校のオンラインレッスンを観ていたら本校、宮崎校それぞれのインストラクターの良さや個性を知りました。私の場合はオンラインレッスンはどんな人が観ているか分からないから気が抜けないプレッシャーにプラスして、1人で配信しながらダンスレッスンする事になかなかテンションを上げる事が出来なかったので(笑)、終わる頃には色々と乗り越えてメンタルが強くなりました(笑)。無料で誰でも参加できるオンラインレッスンだった事で、たくさんの人達にREPを知ってもらい興味を持ってもらえたので両校共にSNSのフォロワーが一気に増えました。インストラクターの皆が頑張ってくれたお陰です。
Q,新型コロナウィルス感染症の影響を受けた経験をもとに今後のレッスンに変化はあると思いますか?
レッスンのある毎日が当たり前でしたが、こんな日が来るとは思いませんでした。再開したら今まで以上に更に1レッスン1レッスンを大切に悔いなく努めていきたいと思います。人と人とがダンスを通して触れ合いぶつかり合い汗だくになって感情剥き出しに踊りながら同じ時間を過ごす素晴らしさは何にも変えられません。ですが、二度と同じ辛さを世界が繰り返さない為に、これからもやはり健康や安全を重視した生活を優先しなくてはいけません。少しだけ神経質にスタジオの衛生管理に努め、レッスンは更に充実した時間に変えていきたいと思います。世の中の流れとしては、オンラインレッスンの普及でたくさんの人達が良さを実感したと思うので、スタジオレッスンとオンラインレッスンと両立して学ぶ事が当たり前になっていくんじゃないかなと思います。そうなると一気にダンサーのレベルが上がっていきますよね!未来はモンスターだらけが当たり前の世の中になりそうw
Q,緊急事態宣言解除後も3密を避ける行動が求められると思うのですが、どのような対処法をお考えですか?
密を避けて分散するよう6月から一気にインストラクターとレッスンを増やしました。専門業者にお願いしスタジオ内の除菌をする予定でいます。お金のやり取りや入退室、レッスン生の管理がスタジオスタッフと触れる事なく個々に自動で済ませられるよう夏くらいまでにはシステム導入していく事を検討しています。後はしばらくインストラクターのマスク着用や保護者や同伴者の入校を控えて頂き、入り口での手指の除菌や換気、清掃を入念に行っていきます。
Q,今後のダンススタジオで行おうと思っている新たな試みやニューストピックスなどあればお教えください。
本校、宮崎校共にインストラクターが増え更にレッスンが充実しました。スタジオ内も更にオシャレに快適にしていきたいなと思っています。実はREPでサスティナブルや3Rへの取り組みに力を入れていこうと今着々と構想を練りながら積み重ねています。ダンススクールが環境問題に取り組んでいくって一見難しいかなと思ってずっと前から考えていましたが、やっとここにきて形に出来そうです。もちろんダンサーが力を入れている事から誰もやっていない事まで幅広いエンタメにもどんどん挑戦していきたいと思います。そして、未来あるレッスン生達の為に出来る事、レッスン生達が学べる事はダンスにプラスしてたくさんあると思うのでREPを通して少しでもたくさん経験してもらい、成長しながら視野を広げ将来に繋げていってもらえたらと思います。これからHPやSNS等で発信していくので、REP Performance Stageをぜひチェックしてください。
HP
本校
repjapan.com
宮崎校
repmiyazaki.com
お近くの方はぜひ気軽な気持ちで遊びに来てくださいね。
新型コロナウィルス感染症の影響、緊急事態宣言による不要不急の外出自粛を受け、ダンサー、ダンススタジオは、改めてオンラインの活用の仕方や配信することの重要性を感じた事だろう。ダンス業界では、オンラインは副産物のようなもので、場所を選ばずダンスを学ことができる。地方に住む人、スタジオが近所にない人たちにはオンラインレッスンがあるのは嬉しい。また、スタジオに行くのは一歩引けるというダンス初心者にとっては、気軽にダンスにチャレンジができる。ダンスに興味を持った人たちにダンスの楽しさを伝える方法として、オンラインや配信は、更にダンス人口を増やしていくことになりそうだ。ダンススタジオはPR施策として、ダンサーは自己プロデュースする場として、どんどんオンラインや配信を行っていって欲しい。今まさに世間のニーズ、注目がオンラインや配信に集まっている。もちろんダンスはみんなで踊ることに醍醐味がある。ダンスレッスンもスタジオなど同じ空間で、その場の臨場感やインスタラクターの放つパッションなどを体感することによる学びや発見が受講者を成長させる。これからの時代、オンラインや配信とオフライン(スタジオレッスンなど)をうまく活用していくことが、ダンス業界で飛躍をしていくポイントとなりそうだ。
edit & text SUMI MASAMITSU(bashment) Instagram @bashment_jp
Rena profile
2005年よりスポーツ界のチアリーダーことダンス&ボーカル姉妹ユニットFlareとしてプロバスケ、プロ野球、Jリーグ等スポーツ各界を中心に活動し、ラジオDJやモデル等マルチにこなす。レッドブルがサポートするSTAY FITのパーソナルトレーナーとしてもエクササイズや体幹トレーニングを中心としたコラムやワークショップなどを行う。その他オーガニックライフTOKYOでの講師やヘルスケアアプリFiNCのアンバサダーを務めフィットネストレーナーとしても活動。都内や関東の数々のダンススクールでのインストラクター経験を積み、2015年よりダンサーとして独立をきっかけにダンススクール REP Performance Stageを開講する。
Instagram @rena_flare
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